つれづれ、北野坂探偵舎シリーズ
読書記録を、気が向いたので付けようと思う。
ネタバレ含みます。
手始めに先程読み終えた
『つれづれ、北野坂探偵舎〜トロンプルイユの指先』
について。
これはシリーズ第五作目?なのだが、現実ではない世界に紛れ込んでしまう。
紫色の指先は一体何者なのか。
それが次第に、ほんの少しずつ解き明かされてゆく。
見事に伏線が引かれ、それを回収していくのは
なんとも快感の伴う作業だ。
ユキのスマートフォンが切れていたのに佐々波さんのスマートフォンが使えたズレ、
ユキが紫色の指先と対話した事実について一向に触れられないことなどが後々わかると
そうだったのか!
と納得する。
紫色の指先を定義づけながら
小説のあり方についても追究され
小説家が小説に挑戦しているということが作品の中でも、そして現実としても感じられる。
小説にできることは一体何か、小説は誰かの人生を変えることができるのか。また、人生を変えてしまっていいのだろうか。
著者のそんな疑問を登場人物たちに語らせているようであった。
しかし、私として納得がいかないのが、一番最後だ。
この続くのか続かないのかわからない
宙ぶらりんな
中途半端な終わらせ方はちょっと酷いと思う。
調べたら続編がまだ出るようですが。
続編があるならもっと、次へ繋がる様子が、心情が、しっかり描かれていて欲しかった。
続くにしては弱い気がした。そして頗る冷や汗をかいた。
自作は夏に出る予定のようなので
気長に待ちたい。
2016.3.10 mint